12月12日(水)一般質問・質疑 項目

1 地方分権に対する現状認識と今後の地方自治体のあり方について

2 森林湖沼環境税の延長に当たっての効果的な活用について

3 災害に備える体制の強化について
 (1) 地域防災計画(原子力災害対策計画編)の改定
 (2) 茨城県警察大規模災害対応業務継続計画の策定
 (3) 地域を守る力の育成,確保
 (4) 福祉避難所の整備

4 子育て家庭が働きやすい職場環境づくりについて

5 交通安全の確保について
 (1) 通学路における子どもたちへの交通安全対策
 (2) 都市計画道路宍塚大岩田線の事業化の見通し

6 文教治安委員会提言への対応について
 (1) 「心身ともに健康で元気な子どもたちの育成」への対応状況
 (2) 「地域社会との連携による元気で安全・安心なまちづくり」への対応状況
 
伊沢議員
 いばらき自民党の伊沢勝徳であります。
 東日本大震災からの復興元年として始まった本年も,残すところあとわずかとなりました。1年を少し振り返りますと,震災からの復旧・復興,つくば市を初めとする竜巻の被害,よかったこととしては,夏のロンドンオリンピック,パラリンピックにおける本県選手並びに日本選手団の活躍,iPS研究でノーベル賞を受賞された山中教授,また,現在は国の将来を左右する第46回衆議院議員総選挙の真っ最中で,各党が熱い論戦を繰り広げております。
 また,本日は12月12日,2年前のこの日,私ども県議会の選挙が行われた日でもございます。私も,託された責任をしっかりと自覚し,微力ではございますが,今後も県勢発展のために頑張ってまいりたいと思っております。
 知事初め,執行部の皆様方には,36年ぶりに誕生したトキのひなの名前のごとく,来年以降の県政が「みらい」に「ゆめ」や「きぼう」が持てる御答弁をお願いいたします。
 それでは,質問に入ります。
 初めに,地方分権に対する現状認識と今後の地方自治体のあり方についてお伺いいたします。
 既に御存じのとおり,平成12年4月に施行されました地方分権一括法により,これまで上下主従,地方の機関を国の機関とみなしてきた機関委任事務制度が廃止され,国と地方は対等並立な関係になったと言われております。
 また,平成19年4月には,地方分権改革推進法の施行により,国と地方の役割分担や国の関与のあり方について見直しを行い,これに応じた税源配分等の財政上の措置,あり方について検討を進めることとなりました。
 これまで国が一律に決定し,自治体に義務づけしてきた基準,施策など,いわゆる義務づけ・枠づけについては,地方分権改革推進委員会の勧告,地方分権改革推進計画や地域主権戦略大綱を踏まえ,施設・公物設置管理の基準などについては,第1次一括法,第2次一括法などによりこれまで2回の見直しが行われてまいりました。このように地方分権が進んできたことは,私なりに評価するところであります。
 施設・公物設置管理の基準見直しでは,これまで国が全国一律に縛ってきた公的な性格が強い施設の基準について,例えば公営住宅の入居基準や公営住宅の整備,道路構造,道路標識,保育所の面積基準などの見直しなど,自治体がその基準をみずから条例で制定できるようになりました。全国各地で,地域の実情を生かした独自の条例制定がスタートしたところであります。私も,本県の独自性を大いに発揮していただき,県民の利便性の向上につなげていただきたいと思います。
 ここで,他県の例を挙げますと,大分県では,県道整備について,国の基準より広い路肩や1車線の道路の一部を2車線にする「ゆずり車線」の柔軟な設置など,独自基準を盛り込んだ道路構造条例の制定を検討中であります。歩行者やドライバーの利便性,安全性の向上に配慮し,コスト削減もねらい,来年4月の施行を目指しております。
 また,東京都では,保育所の園児1人当たりの面積基準を緩和し,年度途中でも定員を超えて入所できるようにしております。賛否両論あるようでございますが,保育所で預かる子どもをふやすことができるため,子育て支援にも一定の効果が期待できます。
 しかしながら,自治体が条例で基準を定められるといっても,すべて自由に決められるわけではありません。国は,地方自治体が条例で基準を定める場合,国としての基準を示しております。その基準では,地方に裁量の余地が少ない「従うべき基準」が多用されており,さらには積み残した項目が多数あるなど,見直しは十分とは言えません。
 また,国の出先機関の原則廃止に向けた取り組みや直轄事業負担金の廃止についても,見直しが進んでいるとは言いがたく,特に今後の地方分権の推進方向を示す上で非常に重要である地域主権推進大綱も,先月30日にようやく制定され,その中身を見ますと,これまで進めてきた改革の経緯と検討課題の列挙にとどまるなど,改革が停滞している内容となっております。
 私は,今後の地方行政,政治のあり方として,地方の地勢や気候風土,歴史にはぐくまれた文化,価値観を踏まえた,地方の独自性あふれる魅力ある自治体づくりを進めるべきだと考えております。
 そのためには,地方分権の一層の推進,また,現在日本が直面しているさまざまな課題に対応できるよう,国のあり方を見直し,国,県及び市町村の役割を明確にし,地方の実情を生かした地方分権のなお一層の推進が不可欠であります。
 つきましては,義務づけ・枠づけの見直しなど一定の進展は見られるものの,地方分権の現状をどう認識し,今後の地方自治体のあり方をどのように考えているのか,知事にお伺いいたします。

橋本知事  まず,地方分権に対する現状認識についてでございますが,国と地方の協議の場の法制化や2次にわたる一括法の成立による義務づけ・枠づけの見直しなどが行われたことは,一定の評価ができるものと思っております。
 この義務づけ・枠づけの見直しに関しましては,本定例会におきましても,28条例の制定,改正を提案しているところでありますが,このうち福祉施設における食品の備蓄等の努力義務化などの災害対策関連の基準や,平地部においてもいわゆる1.5車線の整備を可能とする道路整備の基準など,23の条例において本県の実情を踏まえた独自の基準を設定しているところであります。
 一方,福祉施設の面積や人員配置の基準等の大半が「従うべき基準」とされているほか,国土利用計画法に係る土地利用基本計画の策定義務の廃止や4ヘクタール超の農地転用の許可に係る権限移譲など,積み残された項目が多数ございます。
 また,国の出先機関の原則廃止につきましても,唯一具体的な取り組みが進められている埼玉県や佐賀県におけるハローワーク特区に関しましても,職業紹介など中核となる義務は国の権限のままであり,国の出先機関の原則廃止の実証実験というにはほど遠い状況にございます。
 さらには,直轄事業負担金の廃止につきましては,維持管理費については行われましたが,建設費につきましては政府部内における議論はほとんど進展が見られていない状況にあります。
 このように,地方分権改革はまだまだ多くの課題が残されており,かけ声だけでなく,総理や担当大臣の強いリーダーシップのもとに,具体的かつ実効性のある取り組みを大胆に進めていくべきであると考えております。

 次に,今後の地方自治体のあり方についてでございます。
 最近の議論を見ておりますと,ややもすると道州制など地方の行政体制に関する議論が注目されがちでありますが,例えばあのアメリカ合衆国の州政府の規模,権限について見てみますと,50州のうち20州が本県より人口が少なく,さらには7州が人口100万人に満たない状況にありますが,他の大きな州に互した形で州兵も持つなど,自立した地方政府としての役割を立派に果たしておりますので,私は,都道府県の規模が現在のままであっても,しっかりと内容を伴う形で権限と財源が移譲されれば,本格的な地方分権を十分実現できるものではないかと考えております。
 いずれにしろ,現在の閉塞感を打破し,活力ある日本を創造していくためには,全国一律の行政ではなく,地方が創意工夫を凝らし,地域に合った取り組みを存分にできるように地方分権を確立することが重要であります。
 その上で,地方自治体も地域の実情を踏まえながら,みずからの責任と判断において,これまで以上に自主的,自立的な行政運営を行っていく必要があるものと考えております。。
 今後とも,真の分権型社会の確立に向け,全国知事会等と連携しながら全力を尽くしてまいります。

伊沢議員  次に,森林湖沼環境税の延長に当たり,その効果的な活用についてお伺いいたします。
 平成20年4月にスタートしました森林湖沼環境税は,来年3月末をもって5年の課税期間が終わろうとしております。今定例会におきまして,その延長の議案が知事から提出されております。
 この5年間を振り返りますと,森林湖沼環境税を活用したさまざまな事業が実施され,その結果,手入れが行われていなかった山林の間伐や平地林の整備が進むとともに,霞ケ浦等の湖沼流域では,窒素や燐を効率的に除去できる高度処理型浄化槽の設置が進むなど,活用が進められてまいりました。
 私は,平成20年第4回定例会一般質問におきまして,森林湖沼環境税の活用方法の積極的なPR,また,それを負担する県民の目に見える,税を理解してもらえるような事業展開が必要と質問をさせていただきました。
 その提案を生かしていただき,霞ヶ浦湖上体験スクールの船に掲げる横断幕や配布される学習冊子,森林の間伐材を利用した机の天板への表示など,税がどのように活用されているのか,目に見えるさまざまな取り組みを実施していただきました。
 また,7月19日から30日間にわたり実施されましたパブリックコメントでは,県民の皆様方から延長についておおむね御理解をいただいた回答となっており,これまでの取り組みに対し,一定の評価が与えられたことだと考えます。
 しかしながら,3月に実施したアンケートの結果では,認知度が6割程度であり,延長する以上は,決して現状に満足することなく,見える化を進め,よりよい税の活用方法を県民に示し続けていただきたいと思います。
 活用方法を見ますと,確かに間伐や浄化槽の導入も非常に大事なことだと思いますが,残念ながら当事者しか利益感を得られないものでもあります。当事者以外の県民にも役立つことがわかるような取り組みを,あわせて進めるべきであります。
 例えば,森林になじみの薄い平野部の子どもたちには森林関係の学習コースを,逆に,湖沼になじみの薄い子どもたちには湖沼関係の学習コースを,また,部局間の連携により森林関係と湖沼関係の学習コースをセットにした,両方を一度に楽しんで学習できる機会を今以上に拡大し,より多くの子どもたちに参加していただき,森林や湖沼に触れ合うことにより,環境意識の高揚にもつなげていただきたいと思います。
 また,大変好評であります霞ヶ浦湖上体験スクールについては,参加した子どもたちが体験した内容を家族に話すことを促すため,子どもたちに配布された学習冊子に「この冊子を読んだ大人の皆様へ」と題したメッセージを入れるなど,工夫をしていただき,子どもから大人まで意識啓発,世代を超えた広がりにも期待したいと思います。
 こうした冊子は,県民の税に対する興味,関心の向上に役立つものであり,今後,森林関係と湖沼関係を一冊にまとめて作成することにより,森林と湖沼の両方に興味と関心を持ってもらえるよう工夫し,より一層の効果を期待したいと思います。また,まとめることで冊子作成の経費節減にもつながり,効率的な税の使い方になるのではないでしょうか。
 また,我がいばらき自民党が重要政策大綱において提言をしております通学路沿いの森林,平地林については,歩道空間の確保や防犯,そして安全・安心な通学路の創出のため,税の活用方法の1つとして重点的な整備を図ることを掲げております。これも,目に見える有効な方法の1つであると考えます。
 つきましては,今回,森林湖沼環境税課税期間を延長するに当たり,これまでの取り組みの総括,そして今後の効果的な税の活用について,県民意識の醸成を含め,どのように取り組んでいくのか,知事にお伺いいたします。

橋本知事  次に,森林湖沼環境税の延長に当たっての効果的な活用についてお答えいたします。
 まず,森林湖沼環境税を活用したこれまでの取り組みの総括についてでございます。
 森林の保全整備につきましては,荒廃した森林約6,900ヘクタールの間伐や住宅地周辺などの平地林等約1,000ヘクタールを整備したことにより,当初見込んだ平均的な家庭約2万5,000世帯の年間排出量に相当する炭素の削減を図ることができました。
 また,これまでに,小中学校等161施設で間伐材を活用した学習机等の導入を支援したことに加え,139件の森林ボランティア団体への活動支援や,小中学校60校での子どもの森の整備などを進めてまいりました。
 湖沼,河川の水質保全につきましては,高度処理型浄化槽約6,000基の設置補助や農業排水の循環かんがい施設44カ所の整備などにより,汚濁の指標であるCODで約4万2,000世帯の年間排出量に相当する汚濁負荷量の削減を図ることができました。
 また,小中学生を中心に約3万8,000人が参加した霞ヶ浦湖上体験スクールや82件の市民団体への活動支援などにより,県民参加による水質保全活動を進めてまいりました。
 しかしながら,いまだ荒廃した森林が広く残っていることや湖沼,河川の水質が十分には改善されていないことなどの課題が残っており,これらの課題に引き続き対応するため,今定例会に森林湖沼環境税の課税期間の延長を提案させていただいたところでございます。
 次に,今後の効果的な税の活用についてでございます。
 森林の保全整備につきましては,当初見込んだ1万2,000ヘクタールのうち,残された5,100ヘクタールと新たに緊急間伐の必要性が生じた2,900ヘクタールを合わせた約8,000ヘクタールの緊急間伐に加え,松くい虫等により機能が低下した海岸防災林の再生や林内に放置された間伐材のバイオマス利用などに取り組んでまいりたいと考えております。
 湖沼,河川の水質保全につきましては,これまでの取り組みに加え,単独処理浄化槽から高度処理型浄化槽等への転換を今まで以上に強く促しますとともに,湖上体験スクールの参加者数や市民団体への助成件数の拡大,県民運動によるヨシ帯の保全活動などに努めてまいります。
 また,アオコなどの植物プランクトンの発生を抑制するため,湖水中の燐除去の実証試験を行いますとともに,悪臭被害を防止するため,アオコ抑制装置の設置などの対策も実施してまいります。
 議員御提案の森林と湖沼をセットにした体験学習につきましては,これまでも湖上体験スクールのメニューの1つに水郷県民の森を組み入れたコースを設定しておりましたが,さらに,参加した子どもたちやその保護者も楽しみながら森林と湖沼,河川の大切さを関連して学べるよう,効果的な環境学習パンフレットを新たに作成するなど,なお一層の充実に努め,環境保全に対するさらなる県民意識の醸成を図ってまいりたいと考えております。
 県といたしましては,森林湖沼環境税の課税期間の延長に当たり,貴重な財源である税をより効果的に活用し,その成果が県民の目に見える形となるよう,積極的な事業展開に努めてまいります。

伊沢議員  次に,災害に備える体制の強化についてお伺いいたします。
 昨年3月に東日本大震災が発生してから1年と9カ月が過ぎました。私は,これまで一般質問,予算特別委員会などを通じて,震災後に残されたさまざまな課題を提起し,その解決,解消に向けて取り組んでまいりました。また,その課題に対し,解消に向けた動きが緩やかであったり,進んでいなかったりする課題もございます。
 その中で,今回は,私なりに積み残した4つの課題について質問をさせていただきます。
 まず,原子力災害対策計画編の改定についてお伺いをいたします。
 現在,地方自治体では,災害対策基本法に基づき,災害発生時の応急対策や復旧など災害に係る事務,業務に関しまして,総合的に定めた地域防災計画を策定しております。
 本県では,その計画のうち,地震災害対策計画編,津波災害対策計画編は本年3月に改定されたものの,原子力災害対策計画編はいまだ手つかずであり,早期の改定が望まれております。
 本年9月に発足しました原子力規制委員会は,10月末日,原子力発電所事故の防災対策の枠組みとなる原子力災害対策指針を決定しました。指針は,今後,原子力発電所事故発生時の避難方法などを定める自治体の地域防災計画の策定に活用される予定であります。
 しかしながら,原子力災害対策指針では,先送りされた事項も数多くあり,被曝軽減のためのヨウ素剤の配布や服用の判断基準のほか,自力で避難できない要援護者の被曝を防ぐ一時避難所の設置基準は明らかにされておりません。
 橋本知事からは,地域防災計画を改定するに当たり,ポイントになるところが不明確,不透明であり,きちんとしたものは来年3月までにできないのではないかというお話も聞いております。
 また,地域防災計画改定のための参考情報として,原子力規制委員会から,10月には放射性物質の拡散予測,11月には防護措置の被曝低減効果の分析が示されたところでございますが,予測に際しての条件が限定であるなど,この予測をどう受けとめ,地域防災計画の改定に生かすべきなのか,委員会からの説明は十分ではありません。
 一方,委員会からは,今後,来年3月に間に合うよう,自治体に対し,深くかかわり手伝っていく体制を整える。そして,協力してくれる自治体があるならば,一緒に防災計画のひな型をつくっていくようなことも発表しております。
 今後,山積した課題については,原子力規制委員会から順次見解が示されることだと思いますが,本県として速やかに対応できるよう,その準備は進めていく必要があります。
 つきましては,どのような体制を構築し,原子力災害対策計画編の改定を進めていくのか,生活環境部長にお伺いいたします。
 次に,茨城県警察大規模災害対応業務継続計画の策定についてお伺いをいたします。
 東日本大震災の発災により,本県も甚大な被害を受けました。長時間に及ぶ停電と断水,買いたくても買えない食料品やガソリン,そしてテレビで繰り返し流される被災現場の惨状,当たり前だと思っていたふだんの生活の急変に人々の精神が疲弊し,緊張と不安で胸が張り裂けそうな極限状態において,まちの治安を維持,確保することは極めて重要なことであります。
 そのような中,今後の災害に備え,安心・安全のかなめである警察本部が,大規模災害対応業務継続計画,いわゆるBCPを策定したことは,非常に有意義なことだと思います。
 BCPとは,大規模災害時,一定の行政機能を確保し,迅速かつ的確な応急対策を講じつつ,短期間で平常業務へ復帰する体制を構築するため準備しておく対応方針であります。
 6月に策定されたということですが,その計画が実行されないことにこしたことはありません。しかしながら,備えあれば憂いなしのごとく,策定されたことは大変心強く,県民の安心にもつながります。
 つきましては,大規模災害対応業務継続計画について,どのような点に重点を置いて策定したのか。また,実際の有事に際し,より実効性のあるものとするためには今後どのように取り組んでいくのか,警察本部長にお伺いいたします。
 次に,非常に大切な自助と共助を支える,地域を守る力の育成,確保についてお伺いいたします。
 東日本大震災の教訓の1つとして,発災時の極限状態において,自分の身を守り,周囲の人間に冷静に避難誘導できる人材の育成が必要とされております。
 その人材として,昨年の震災でも活躍した消防団員や,地域防災のリーダーとして活躍が期待される防災士などが挙げられます。
 消防団は,消防隊員と協力して消火活動を行ったり,風水害の際は水位の警戒や土のうをこしらえ,土のう積みなどさまざまな災害対応を行うほか,平時には災害対応のための訓練,機材の整備点検,防火訪問等の予防広報など,地域のための活動を行っております。地方においては消防団は重要な役割を担っており,私も,消防団員の一員として,これまで微力ながら地域を守る活動をしてまいりました。
 本県における消防団員数の現状を見ますと,残念ながら減少傾向にあります。私の友人の話ですが,景気経済の低迷の中,職場の理解を得るのが難しく,やむなく消防団をやめざるを得ないケースもありました。また,若者の価値観の変化に伴い,団員の確保が難しい現実もあります。
 そこで,新たな力として,女性や大学生の入団促進,企業の自衛消防隊の充実強化など,国からもさまざまな視点が提示されております。
 また,消防団とともに活躍が期待されている防災士の育成も,重要な課題であります。
 防災士とは,平成7年に発生した阪神・淡路大震災を受け,特定非営利活動法人日本防災士機構が始めた認定資格であります。
 大災害が発生した際,消防,自衛隊等が機能を発揮するまでおおむね3日間,地域や職場において人々の生命や財産にかかわる被害が少しでも軽減されるよう被災現場で活動を行うほか,平時には,防災意識の啓発,大災害に備え互助,協働活動の訓練や防災と減災及び救助等の技術錬磨などに取り組み,求められる場合には防災計画の立案等にも参画できるなど,重要な役割を担います。
 他県の例を見ますと,石川県では,防災士の育成に積極的に取り組んでおり,平成23年度1,500人を5年後の平成28年度までには3,000人に倍増することを目標としております。
 また,宮崎県でも同様に,平成22年度に513名の防災士を4年後の平成26年度までには2,000人にふやすことを目標としており,その中でも,特に県立学校全校において教職員が1人ずつ防災士の資格を取得するという興味深い取り組みも,今年度から進められております。
 以上のようなことから,さまざまな視点を取り入れ,自分たちのまちは自分たちで守るという意識の高揚と,それを支援する体制の充実強化を図るべきだと考えます。
 つきましては,今後,消防団員の確保,並びに防災士の育成のためどのような取り組みを進めていくのか,生活環境部長にお伺いいたします。

生活環境
部長
 災害に備える体制の強化についてお答えいたします。
 まず,地域防災計画原子力災害対策計画編の改定についてでございますが,改正原子力災害対策特措法の施行後6カ月以内を目途に改正することとされており,改定時期は来年3月とされました。
 県といたしましては,法改正等を見据え,昨年9月に地域防災計画改定委員会及びその下部組織として原子炉工学や被曝,避難,広報等の専門家及び防災関係機関で構成する原子力災害対策検討部会を設置するとともに,市町村を初め,警察や自衛隊などの関係機関との情報交換の場を設け,計画改定の準備を進めてきたところでございます。
 検討部会では,福島第一原子力発電所事故でこれまでに明らかになった防災上の課題への対応を初め,予防的防護措置を準備する区域─PAZや,緊急時防護措置を準備する区域─UPZの設定方針などについて,3回にわたり御検討いただいてまいりました。
 さらに,今回の法改正等を受け,11月27日に第4回の検討部会を開催し,国が10月31日に示した原子力災害対策指針を踏まえた原子力災害対策計画の改定の基本的な方針などについて御審議をいただいたところであります。
 今後は,年内にも第5回の検討部会を開催し,計画の改定案を検討いただき,その後県議会や県民等の御意見をお聞きしながら,3月までに計画を改定できるよう,しっかりとした体制で取り組んでまいります。
 一方,今回示された原子力災害対策指針には,地域住民の屋内退避や避難に関する基準,安定ヨウ素剤を投与する際の判断基準など課題も残されており,国においては,順次,考え方を整理し,指針を改定していくとしております。
 このため,指針が改定された場合には,速やかに庁内関係部局で構成する危機管理連絡会議などでその内容について検討するとともに,随時原子力災害対策検討部会を開催して御審議いただくなど,迅速な対応を図り,より実効性のある地域防災計画原子力災害対策計画編の改定を進めてまいります。
 次に,地域を守る力の育成,確保についてお答えいたします。
 東日本大震災を経験し,地域防災の担い手である消防団員や地域防災のリーダーとして活躍が期待される防災士などの重要性が改めて認識されたところでございます。
 消防団員につきましては,社会環境の変化等により,団員数が年々減少し,団員の確保が喫緊の課題でございます。このため,まず事業所に消防団活動への理解と協力を求めて,消防団協力事業所の表示をしていただき,勤務する団員が活動しやすい環境づくりに取り組んでいるところでございます。
 また,活動できる団員が少ない平日昼間の消防活動や災害時に重機等を使用した活動など,特定の活動に限定した機能別団員や機能別分団という考え方を導入し,消防団OB等の活用を促進しているところでございます。
 さらに,女性消防団員につきましては,現在,36市町村において511名が入団されており,ひとり暮らしの高齢者宅への防火訪問や災害時の住民安否確認,避難所での活動など,重要な役割を担っていただいておりますことから,すべての市町村において女性の方が入団されることを目標に取り組んでまいります。
 また,これからの地域防災の担い手の中心となる大学生等の若者につきましては,大学等の協力を得ながら地域防災の重要性について啓発を行うなど,入団促進に努めてまいります。
 県といたしましては,今後とも,毎年実施している入団促進キャンペーンや女性消防団結成促進大会,さらには,成人式や来月に開催する消防団・自主防災組織の理解促進シンポジウムなどを通じ,広く県民に消防団への理解と入団を呼びかけ,一層の団員確保に努めてまいります。
 次に,防災士の育成についてでございます。
 防災士は,平成14年に創設された資格であり,定められた研修期間の研修を有料で受講して受験資格を得た後,認証機関である日本防災士機構の資格取得試験に合格した者に付与されるものでございます。
 本県では,その認証機関と連携し,地域防災のリーダー養成を目的として無料で受講できる「いばらき防災大学」の修了者に防災士の受験資格を付与してきたところでございまして,防災士合格率は9割を超えております。
 県といたしましては,防災士などを地域の自主防災組織に少なくとも1名配置できることを目指して,市町村や自主防災組織などに広く防災士の役割や重要性を周知するとともに,いばらき防災大学の受講定員を拡大し,修了者に資格取得を促すなど防災士の育成に取り組み,地域を守る力の育成,確保を図ってまいりたいと考えております。

警察本部長  茨城県警察大規模災害対応業務継続計画の策定と有事の際の実効性の確保についてお答えいたします。
 大規模災害が発生した場合には,電気や水道が停止するなど,警察にとっても重要な業務阻害要因が発生いたします。同時に,救出救助などの緊急性のある業務が新たに発生しますが,そのような場合でも,通常の業務のうち県民の生活に支障が出るものについては,継続して実施する必要があります。このようなことから,茨城県警察大規模災害対応業務継続計画を6月19日に策定したところであります。
 本計画におきましては,業務の停止により県民の生活に生じる影響の度合いにより,警察業務を5段階に区分しております。
 具体的には,業務の停止による社会的影響が甚大で,大規模災害時であっても停止を許容できないものをレベル5とし,以下順次,社会的影響がわずかにとどまるものをレベル1とするというふうに分類したものであります。
 例えば災害応急対策業務のほか,人命救助や被害届の受理,緊急性の高い犯罪対応等をレベル5とし,事後捜査でも可能なものについてはレベル3に区分するといったものでございます。
 さらに,実際の有事に際しても実効性のある計画となるよう,非常用発動発電機の整備,装備資機材等の拡充,警察本部または警察署が使用不能になった場合の代替施設の確保など,業務継続の裏づけとなる執務環境の整備を図ることとしております。
 これらに加え,現実に即した教養訓練を反復実施し,県民の安全・安心を確保し,県内の治安維持に万全を期してまいる所存でございます。
伊沢議員  次に,いまだ道半ばである福祉避難所の整備についてお伺いをいたします。
 東日本大震災では,多くの方が被災し,避難所生活を余儀なくされました。避難所生活は一般の方でも大変困難であり,相当な御苦労があったことだと思います。
 災害時に,高齢者や障害者等のいわゆる要援護者の方々は,心身の状態や障害の種別により避難所の生活に順応することが難しいため,要援護者のために特別な配慮がなされた福祉避難所を指定しておく必要があります。
 しかしながら,私が確認した限りでは,指定状況は市町村によって大きく偏っており,また,その絶対的な数もまだまだ少ないという印象であります。
 私も,今回の震災後,障害者団体の皆様方からいろいろとお話をお伺いいたしました。
 その中で,例えば聴覚に障害のある方からは,避難所でのお知らせが放送やハンドマイクで行われたため,食事などの時間がわからないなど,大変御苦労があったということを伺いました。
 また,視覚に障害がある方からは,家族や介助者が不在のときトイレなどに行くため,ふだんなれているところであれば別ですが,壁をたどって歩くため,誤ってほかの避難者の足を踏んでしまったりするなど,一般の避難所での生活は大変困難だというお話をお伺いいたしました。
 また,知的障害がある子どもを持つ親からは,避難所というなれない環境の中で,極度の緊張と不安から子どもが奇声を発するなど,大勢の避難者に迷惑をかけるため,結果的に自家用車の中で避難生活を送ったという話もお伺いしました。
 早期の災害弱者対策が求められる中,市町村での取り組みも始まりました。
 例えば水戸市では,特別支援学校の協力により,福祉避難所として指定し,学校の設備や専門的な知識を生かし,障害者や保護者が安心して避難できる場所の確保に取り組んでおります。
 また,私の地元である土浦市でも,福祉避難所としての位置づけではありませんが,児童福祉施設や障害者施設,高齢者の介護施設など市内の31施設で構成される民間社会福祉施設協議会と市が,災害時における福祉的協力に関する協定を締結し,災害弱者の受け入れや介護のノウハウを持つ職員を市の指定する公共施設等に派遣するなど,福祉関係施設の協力をいただくことにより充実した避難所を目指しております。
 なお,私がお話を伺う限りでは,特別支援学校,盲学校や聾学校も避難所として指定されることには協力を惜しまないとのことでございます。
 しかしながら,県内では福祉避難所の指定は余り進んでおりません。もちろん指定するのは市町村の事務でありますが,今申し上げました特別支援学校など県立の学校施設などを利用することも考えられるため,県も積極的に関与し,促していく必要があるのではないでしょうか。
 備えあれば憂いなし,いつ災害が襲ってくるとも限りません。早期の指定が望まれます。
 つきましては,県としてどのように市町村に指定を促していくのか,現状を含め,保健福祉部長にお伺いをいたします。

保健福祉
部長
 福祉避難所の整備についてお答えいたします。
 まず,県内の福祉避難所の指定状況でございますが,ことしの11月現在で,水戸市など18市町村で184の施設が指定されており,主な種類といたしましては,高齢者施設58,障害者施設4,児童福祉施設60,特別支援学校5となっております。
 福祉避難所の指定につきましては,これまでなかなか進まなかった面もございますが,大震災を契機といたしまして,市町村にもその重要性を再認識してもらうことが大切であると考えております。
 このため,県では,ことしの4月に市町村を対象に災害時要援護者対策会議を開催し,先進的自治体からの事例発表や,国のガイドライン及び県地域防災計画に基づく福祉避難所の必要性,指定の要件や手順などについて説明を行うなど,指定促進に向けて取り組んでいるところでございます。さらに,特別支援学校の福祉避難所の指定につきましては,指定を行う主体となる市町村との協議を多くの特別支援学校が積極的に進めているところでございます。
 現在,新たに8市町村で福祉避難所が指定され,県全体では51の施設が増加している状況にございます。
 県といたしましては,市町村におきましても防災意識が高まっておりますので,この時期をとらえ,指定が進んでいない市町村に対し個別の訪問や,引き続き全市町村を対象とする災害関係会議を開催することにより,積極的に指定を進めるよう働きかけてまいります。さらに,民間の社会福祉施設に対しては,関係団体を通じ協力を求めるなど,全市町村で福祉避難所が指定されるよう取り組んでまいります。

伊沢議員  次に,子育て家庭が働きやすい職場環境づくりについてお伺いいたします。
 皆様,1.57ショックという言葉を御存じだと思います。昭和41年の合計特殊出生率は,「ひのえうま」という特殊要因により過去最低の1.58でありました。平成元年が,それを下回る1.57になったという衝撃を指して使われる言葉でございます。
 その後の平成17年,我が国が明治32年に人口動態の統計をとり始めて以来,初めて総人口が減少に転じました。出生数は106万人,合計特殊出生率は1.26と,いずれも過去最低を記録しております。
 子育て支援施策等の効果により若干回復し,平成23年には1.39,本県も同率となっておりますが,依然として低い水準であり,厳しい数値だと言わざるを得ません。
 出生率の向上には,男女ともに仕事と子育ての両立が重要な課題の1つであります。平成23年5月に公表された内閣府の少子化社会に関する国際意識調査によりますと,子どもをふやしたくない理由の1つとして,働きながら子育てができる職場環境がないという回答が,米国やフランスと比べて高い数値であり,理由の上位に入っている現状でもあります。
 また,「平成24年度版子ども・子育て白書」によれば,出産前に仕事をしていた女性の約6割が,出産を機に退職をしております。そのうち約26%の女性が,仕事を続けたかったのに仕事,子育ての両立が難しいという理由で仕事をやめております。女性の就労継続は,依然として厳しいことがうかがえます。
 そのような中,合計特殊出生率が1.56と比較的高い福井県では,「企業子宝率」という指標を用いて,子育てしながら安心して働ける職場づくりに取り組んでおります。
 企業子宝率とは,従業員が当該企業在職中に持つことが見込まれる子どもの数,福井県では,従業員の子どもの数が多い会社は,企業の子育て支援に理解があり,従業員が子育てしやすい職場環境にあるという考えのもと,県内の中小企業を対象に企業の合計特殊子宝率を全国で初めて調査いたしました。
 上位の企業7社は,子育てモデル企業として認定され,認定マークの使用や補助事業等選定における加点の優遇などが行われております。全国初という話題性もあり,仕事と子育ての両立ができる環境づくりのための施策として,大変おもしろい手法だと思います。
 また,内閣府に設置されております男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会,女性と経済ワーキンググループが平成23年7月に公表した中間報告では,現在,就業せず求職活動もしていない女性のうち,就業を希望する方々は全国で342万人おり,この女性が就業することにより雇用者の付加価値創造額を7兆円程度増加させるという試算も出ております。
 これはGDPに換算いたしますと,約1.5%にも相当する数字であり,先ほどもありましたが,先日来日したラガルド国際通貨基金専務理事も,日本人女性が働ける文化をつくれば日本経済は大いにプラスになると述べております。仕事と子育ての両立は,経済の活性化にもつながる話であります。私も日々子育てに励む世代であり,子どもを安心して育てられる環境づくりは人ごとではありません。とても大切なことだと考えます。
 つきましては,今述べた事例も参考にしていただき,子育て家庭に優しい職場環境づくりのため,本県としてどのように取り組んでいくのか,保健福祉部長にお伺いをいたします。

保健福祉
部長
 次に,子育て家庭が働きやすい職場環境づくりについてでございます。
 仕事と子育てが両立できる職場環境をつくることは,勤労者の生活の充実はもとより,企業にとっても優秀な人材の確保や定着を図る上で重要なことであると考えております。
 これまで,県では,働き方の見直しや意識改革を進めるため,子育て応援企業の表彰や企業のトップ等を対象としたフォーラムの開催,企業における子育て応援に関する宣言の登録,中小企業の事業所内託児所施設整備に関する助成等を行ってまいりました。
 子育て応援企業の表彰につきましては,従業員の子育てを積極的に支援している企業を表彰し,子育て支援の取り組みを促進するという目的で行っておりますが,御質問にございました「企業子宝率」は,この取り組みと同様の趣旨で行われているものと考えております。
 一方,この表彰を受けた企業では,取り組む内容を顧客や就職活動中の学生などにPRしているところもあり,受賞したことが企業のイメージアップににつながっているものと考えております。
 県といたしましては,これらの企業の社会的な評価がさらに高まるよう,取り組みの結果顕著な成果を上げた事例を県ホームページ等への掲載やいばキラTVでの紹介など,さまざまな媒体を活用し広く広報してまいりますとともに,県内の高校や大学を通じて学生等にも周知してまいります。
 今後は,これらの取り組みを通じて,子育て支援の重要性を社会に広く認識してもらうとともに,より多くの企業に子育て支援に取り組んでいただけるよう働きかけ,子育て家庭が働きやすい環境づくりを推進してまいります。

伊沢議員  次に,交通安全の確保についてお伺いいたします。
 まず,通学路における子どもたちへの交通安全対策であります。
 今回の一般質問でも,複数の議員から質問が行われており,私も大変重要な課題だと思っております。
 通学中の子どもたちを巻き込む大変痛ましい事故が後を絶ちません。先ほどもありましたが,本年4月には京都府亀岡市で登校中の児童と引率の保護者の列に軽自動車が突っ込み,10人を死傷させた事件は世間を震撼させました。また,先月は,宮崎県えびの市やつくば市におきまして,登下校中の小学生がひき逃げされるという悪質な事件も発生しております。
 子を持つ親の一人として,お子さんを亡くされた親御さんの心を思うとき,大変胸が痛く,何の罪もないかわいい子どもたちの命が失われることがあってはなりません。
 二度と起きないよう調査し,公立小学校及び特別支援学校から要請のあったおよそ2,000カ所につきましては,先日,学校関係者,警察,道路管理者が連携し,緊急合同点検が実施され,その結果,対策が必要とされる箇所はおよそ1,900カ所にも上り,要請のあった箇所の実に95%にもなりました。それら対策に必要な箇所については,関係機関が連携し,取りまとめた対策案を12月10日までに国に報告したと伺っております。
 私の地元の通学路にも大変危険な箇所が多く,皆さん大変心配しております。早期の対策が望まれます。
 子どもたちは,地域の宝,家庭の宝であります。そのかけがえのない宝物を大切にはぐくみ,そしてその宝物たちが将来を担い,活躍してもらえることが,私たち大人の願いでもあります。その子どもたの安全確保,環境整備は,まさに大人世代に与えられた使命でもあります。
 つきましては,緊急合同点検の結果を受け,取りまとめられた対策案をもとに,今後どのように通学路の字を確保していくのか,教育長にお伺いいたします。

教育長  交通安全の確保についてお答えいたします。
 通学路における子どもの交通安全対策についてでございます。
 緊急合同点検を踏まえた対策の実施状況でございますが,11月末現在で,対策の必要箇所は約1,900カ所あり,そのうち4割弱に当たる約700カ所につきましては,既に通学路の変更や見守り活動のほか,信号機や横断歩道の設置,さらには速度規制の見直しなどにより対策が講じられております。
 残り6割強に当たります1,200カ所につきましては,現在対策を検討中のものも含め,一刻も早く地域の実情に合った効果的な対策が講じられるよう,今後適切な進行管理に努めてまいります。
 一方,今後用地取得の必要などから対策に時間がかかる箇所につきましては,当面,地域と連携した見守り活動の充実など,ソフト面の対応により安全確保に努めてまいります。
 県といたしましては,かけがえのない子どもたちの命が通学路で奪われることのないよう,スピード感を持って通学路の安全対策に取り組んでまいります。

伊沢議員  次に,都市計画道路宍塚大岩田線の事業化の見通しについてお伺いをいたします。
 先ほども質問しましたが,子どもたちの通学路の安全確保ということは非常に重要なことであります。
 都市計画道路宍塚大岩田線は,本市の中心市街地の通過交通処理の役割を果たす環状道路であります。また,阿見町やつくば市方面を連絡する重要な幹線道路であり,交通量も大変多く,また緊急輸送路としても重要な役割を担う道路であります。昭和43年に都市計画が決定され,整備が進められてまいりました。本路線のうち,県道土浦境線から国道354号ランプ部まで約2キロ区間については,平成21年までに事業が完了したところであります。
 しかしながら,国道354号ランプ部から東側の残り区間については,住宅密集地であり,未整備のままとなっております。
 その中でも,特に課題となっている国道354号との立体交差部付近については,現道が狭隘であり,歩道が整備されていないにもかかわらず,通学路に指定されているため,子どもたちは危険な状況の中通学をしております。また,通行する車両の高さが3.3メートルに制限されているため,緊急車両の通行にも支障を来しております。
 このような状況の中,早期の解決を図るため,地元PTAや地元の皆様,区長会から,当該区間の早期整備が強く要望されております。
 先日は,土浦市長や市議会議長,そして地元の県議会議員の皆様とともに,都市計画道路宍塚大岩田線の整備に関する要望書を提出したところであります。
 つきましては,子どもたちの安全確保のため早期整備が強く望まれる都市計画道路宍塚大岩田線における本区間の事業化の見通しについて,土木部長にお伺いいたします。

土木部長  都市計画道路宍塚大岩田線の事業化の見通しについてお答えいたします。
 本路線の未整備区間のうち,国道354号の歩道橋との立体交差部付近につきましては,通学路に指定されているにもかかわらず,狭隘で歩道が未整備でありますとともに,周辺への大型商業施設の立地に伴い交通量が増加しており,慢性的な渋滞が発生しております。
 また,国道の跨道橋は,昭和9年に建設されて耐震性が不足しているだけではなく,この下を通る県道土浦坂東線の通過車両に対しまして高さ制限が設けられており,緊急車両の通行にも支障を来している状況でございます。
 このため,県といたしましては,歩道がなく狭隘な国道のランプ部から東側340メートル区間について,事業化に向けた道路予備設計や用地関係の調査等の検討を平成21年度から行いますとともに,跨道橋のかけかえの概略設計を行ってまいりました。
 今後は,本区間の来年度からの事業化と予算確保に向けて国と調整を進めてまいりますとともに,土浦市と密接に連携を図りながら,説明会を開催するなど地元の御理解と御協力をいただきながら,早期の事業着手に努めてまいります。

伊沢議員  最後に,昨年提出しました文教治安委員会提言への対応についてお伺いいたします。
 昨年1年間,私は,文教治安委員会の委員長として委員会運営に取り組んでまいりました。現在は,文教警察委員会と名前を変えておりますが,学校教育の充実,生涯学習の推進,スポーツ活動や文化活動の推進など,教育文化行政にかかわる事柄や生活の安全を確保するための交通安全対策や治安の確保について審査,調査する委員会であります。
 教育庁関係では,「心身ともに健康で元気な子どもたちの育成」を活動テーマに,次代を担う子どもたちに生きるための力や基礎・基本の学力をしっかりと身につけさせるため,学校や家庭,地域社会が教育力を高めるとともに,それぞれが連携,協力して課題解決に取り組んでいくことが必要だとの観点で審査及び調査に取り組んでまいりました。
 また,警察本部関係では,「地域社会との連携による元気で安全・安心なまちづくり」を活動テーマとし,県民だれもが安全で安心して暮らせる地域社会の実現のため,委員会の審査及び調査に取り組んだところであります。
 委員長の最後の務めとして,これまで委員や参考人等から出された意見等を踏まえ,今後,本県が取り組むべき施策等について昨年12月提言を行いました。早いもので1年が過ぎました。
 今後の施策に反映していただけるよう,さまざまな観点から提言を行っていくことは,私ども議会の重要な役割の1つでもあります。一方,提言を行った後,委員会が再編されますが,その対応がどうなっているのか,その状況を確認することも重要なことだと考えます。
 そこで,まず教育長に対しましては,「心身ともに健康で元気な子どもたちの育成」の実現に向け,知徳体のバランスのとれた子どもたちの育成,学校給食を活用した食に関する指導の充実,被災した子どもたちの心のケアなど,取り組むべき施策等として5項目を提言しております。
 つきましては,当時の文教治安委員会の提言を受け,これまでどのように取り組んできたのか,教育長にお伺いをいたします。

教育長  次に,文教治安委員会提言への対応についてお答えいたします。「心身ともに健康で元気な子どもたちの育成」への対応状況についてでございます。
 主なものについて申し上げますと,まず,知徳体のバランスのとれた子どもたちの育成につきましては,道徳教育の充実という御提言を受け,より生徒の心に響く道徳の授業を目指し,現在,中学生向けに道徳教育用郷土資料を新たに作成しているところであり,今後は,これらの教材を活用して,豊かな心の育成の一層の充実を図ってまいります。
 次に,学校給食を活用した食に関する指導の充実についてでございますが,食に関する指導の中心となる栄養教諭につきまして,採用予定人数を昨年度の3名から今年度は7名にふやし,今後さらに配置数の拡充に向けて検討を進めているところでございます。
 次に,被災した子どもたちの心のケアにつきましては,震災後の緊急対策として実施したすべての公立学校へのカウンセラーの派遣を継続いたしますとともに,中長期的な視点に立った予防的な取り組みが図られますよう,スクールカウンセラーや教職員を対象とした心のケアに関する研修を新たに実施いたしまして,教育相談体制の強化に努めているところでございます。
 県といたしましては,今後とも,引き続き御提言を踏まえつつ,いじめ問題への対応や通学路の安全対策など喫緊の課題にも対応しながら,心身ともに健康で元気な子どもたちの育成に取り組んでまいります。

伊沢議員  次に,警察本部長に対しましては,「地域社会との連携による元気で安全・安心なまちづくり」の実現に向け,地域の連帯感の醸成及び規範意識の向上策,地域警察の活動強化,大規模災害対策など,取り組むべき施策等として6項目を提言しております。
 つきましては,当時の文教治安委員会の提言を受け,これまでどのように取り組んできたのか,警察本部長にお伺いをいたします。
 最後に,要望になりますが,鳥取県では,本会議における議員からの質問に対し,その対応状況をホームページで掲載をしております。知事初め,執行部の皆様には大いに参考にしていただき,我々を含め,県民に対し,わかりやすい情報の提供をしていただきますよう御検討をお願い申し上げ,質問を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。

警察本部長  続きまして,文教治安委員会の6つの御提言への取り組みについてお答えいたします。
 第1に,地域の連帯感の醸成及び規範意識の向上策についてであります。
 これについては,3つの御提言をいただいております。
 まず,いわゆるゲートウエー犯罪対策でありますが,警察では,軽微な犯罪を看過することなく,例えば万引きの全件通報を呼びかけたり,街頭のルール違反に対する指導,警告等の措置を講ずるほか,自治体,事業者及び地域住民と連携した防犯パトロールや広報啓発活動を実施するなど,社会の規範意識の維持,向上のための取り組みを積極的に推進しております。
 次に,少年につきましては,少年指導委員,地区サポーター等の少年警察ボランティアによる少年に対する積極的な声かけ活動や立ち直り支援活動により,少年の規範意識の向上と地域社会とのきずなの強化を図っております。
 さらに,防犯ボランティア等の結成促進と活動の活性化につきましては,防犯ボランティア団体の活動報告会等の開催による経験交流の促進や情報及び物品の提供,合同パトロール等の支援を行っております。
 第2の防犯カメラの整備拡充につきましては,本年11月末現在,自治体等の設置する街頭防犯カメラは335台であり,昨年末より39台増加しております。防犯カメラは,犯罪の抑止と検挙に役立つことから,その有用性や必要性について御説明するとともに,地域住民等の御理解が得られるよう,その設置方法や運用に関する助言指導等についても積極的に行っております。
 本年は,水戸市や常陸太田市など8市町村で設置しており,引き続き設置促進を働きかけてまいります。
 第3に,地域警察の活動強化についてであります。
 まず,交番・駐在所については,地域の生活安全センターとして地域に密着した活動を積極的に展開し,交番・駐在所勤務員が作成するミニ広報紙等による情報発信活動や水難危険箇所の改善等の地域の身近な問題の解決活動等に努めております。
 また,パトロールの強化につきましては,交番・駐在所の整理統合による機動力,執行力の強化によりパトロールを充実するほか,制服警察官をできる限り街頭に出して,県民に「見せる」パトロール活動を積極的に展開しております。
 第4の犯罪防止に配慮した環境設計につきましては,本県が空き巣の多発県であり,無施錠での被害率が全国平均よりも高い傾向にあることなど,侵入盗に関する情報の提供を行い,かぎかけの励行を推進してまいります。また, 防犯フィルムや防犯性能の建物錠など,防犯設備の普及啓発に努めております。
 第5の警察施設の耐震化につきましては,耐震診断の結果,耐震改修の必要があると判断された14警察署のうち,平成24年度末までに6警察署の耐震化が完了する予定となっており,今後も,茨城県県有建築物耐震改修プログラムに基づき,着実に警察施設の耐震化を進めてまいります。
 第6の大規模災害対策につきましては,先ほど御説明いたしました業務継続計画を策定し,大規模災害時の業務継続に万全を期してまいります。
 また,訓練につきましては,8月29日に常陸那珂港区において,東日本大震災時に実際に津波被害を受けた企業の方々と共同で大津波を想定した大規模な災害警備訓練を実施し,また,9月8日には県警の大震災総合警備訓練において,要援護者施設の参加をいただいて避難誘導訓練を実施したほか,11月10日には日立市で開催された茨城県・日立市総合防災訓練に参加するなど,実践的な訓練を実施しております。
 以上,6点御報告を申し上げましたが,警察といたしましては,今後とも,御提言いただいた内容を踏まえ,県民の皆様の声に耳を傾けながら,安全で安心して暮らせる地域社会を確立するために,引き続き全力で取り組んでまいります。

   
  平成24年12月12日 本会議 一般質問